パーキンソン病の方のためのブログ

隠せなくなってきたら、今度はこんなに辛いのよってわかってほしい

松井様

Q:パーキンソン病の発症はいつ頃でしょうか。


松井様:診断されて27年目になります。最初は別の診断名でしたが、1年後にパーキンソン病と診断されて大変ショックを受けました。実は母が同じパーキンソン病だったので、進み具合が手に取るように見えて、自分も同じ様になるんだと思うと怖かったです。


Q:発症当時はお仕事をされていらっしゃったのでしょうか。


松井様:発症当時は専業主婦でしたが、子育てがひと段落したので病気のことは隠して仕事をしました。学会論文の受付や病院のクラークなどを経験し、ハローワークの受付の仕事もしました。
ハローワークの時は対面して相談を受けるので、震えが相手にも見えてしまいます。お薬の飲み方を工夫したりしましたが、いよいよ隠せないくらい激しく震えるようになり、DBSを埋め込む手術をしました。けれど私には合わなくて、6回目の入院で取り外すことにしたんです。

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Q:今の生活で、何が一番大変ですか?


松井様:一人暮らしだから自分で何でもやらなきゃいけないことですね。例えば、夏場に汗をかいたシャツを脱ごうとしても、脱げなくて苦しくてハサミで切って取ったりとか。
お料理をしても、大根に包丁を入れてストンと切ることができなくて、突き刺したままお薬が効いてくるまで待って調理をするということがあります。
そういう時には、何でこんな病気になっちゃったんだろうと思いますね。


Q:訪問のリハビリを利用されて、いかがでしょうか。


松井様:歩くのが大変なので、来てくださるのがすごくありがたいです。
トレーニングは結構大変だけど、それがちょうどいい。最初はゼェゼェ呼吸が苦しいくらいでした。でもこの頃は体も慣れてきました。
トレーニングははとても一人じゃできないですね。マンツーマンで、「ここをもっと高く」とか具体的に手伝ってもらえるから、自分でしなければいけないことを納得させていただいてできるので、すごく良いと思います。

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Q:パーキンソン病と付き合っていく中で、今後の生活の目標はありますか?


松井様:2つあります。
1つ目は、病気をしてから今まで書きためたものを1冊の本にしましたので、次回作を出版することが目標です。
2つ目は、パーキンソン病友の会の支部を立ち上げましたので、その会の存続のためにも頑張らなきゃいけないなと思っています。
パーキンソン病は分かってもらえないことばっかりで、最初は誰でも世間に知られたくないでしょう。私だって知られたくないって思ってましたから。だけど隠せなくなってきたら、今度はこんなに辛いのよってわかってほしい。そんな気持ちで活動しています。
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